生きのびるために

おすすめのアニメ⑴
Netflix 「生きのびるために」
★★★★★
 タリバン政権下の厳しかった時代、女性は本も読んでもいけないし、一人で外にも出られませんでした。そんな中、父親が連行され幼い主人公は家族を養うために髪を切り男の子になりすまして働き始めるが・・・・・・。
今でもイスラム国崩壊後などの問題が残る中東。
 信仰とは何かも考えさせられる映画。やはり信仰の意義を考えさせられるのは宗派に関わらず、衣食住という基本が宗教と政治によって脅かされるところから始まるとは思います。
ごめんなさいですけど、スコセッシの「沈黙」
とは比べものにならないぐらいレベルが高かかったです。🙏 というのは、作品として評価することになりますが、「生きのびるために」は単純なアニメーションにも関わらず、
タリバン政権下の国民の像が生き生きと描写され、主人公が女の子だと分かっていても
見逃してくれる人や、女の子だと知れば果てしなく暴力を振るおうと追いかけてくる男性もいて、この男性達はイジメというより正義だと思っています。そんな政権下の中で、
主人公達は連行された父親を想い、主人公は父親の安否を確認するために危険な事を
しようとします。政権の強さ、イスラム教の解釈の強さ、そして平凡な家庭を取り戻したいという弱者の強さがぶつかりあい、緊張感がありました。
それに比べてスコセッシの「沈黙」はどれほど江戸時代の幕府が力を持っていたのか、
隠れキリシタンがどれほどまで強い信仰を持っていたのか、この力と力のぶつかり合いが
弱かったのです。処刑=残酷という観客の共通認識に頼りすぎていて、武士というものがどれほど権力を握っていたのか、という力強さの描写が弱かったのでイマイチ伝わらなかった、私はそう思います。生きのびるためには92分という短時間で、よく伝わり、沈黙は160分と長い時間ありながらも、ダラダラとしていたという印象があります。結局何も伝わってないというのが厳しい意見ですが、私は作品としてみたときに無駄なシーンが多かったと思っています。

外国人神父には絶賛でしたが、日本人から見たら微妙という気持ちも分かります。

「生きのびるために」はアイルランドのアニメ会社らしいです。こっちのほうがアカデミー賞ノミネートは当たり前です。まともな作品が選ばれるとまだ神はいるのだなと思います。Netflix契約している人は是非。

酒井司教、女子パウロ会、瀬戸内寂聴からも楽しんで読んでもらえた
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