新作の予定

新作予定

 長らく誰も弾いた痕跡の無いピアノ、片田舎の老夫婦は毎年春に僕に調律を依頼する。音は綺麗になっていくが、年々衰える老夫婦、話に聞く帰って来ない娘、いくら音を綺麗にしても、この部屋には音楽が流れなかった。このピアノは常に孤独だった。このピアノを弾いていた娘という存在はどんな人物だったのか、音色の内在に僕は夢想に耽る。

残された古いハイヒール、部屋に飾ってあるワンピース、残された化粧台の化粧品たち。
ピアノは音を響かせる喜びも知らず、寂れていく空間は僕の治療を待っていた。

「類稀なる誠実な病」の改訂版。

様々なキリスト教問題を乗り越え、新しい道を見つけた作品。
類稀なる誠実な病では
描き切れなかったものを。

2021年出版予定。

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