
Icon o graph 「私たちは愛の裏で動いていた」 洗礼を受けなかった少女の死。この少女、 真希は聖書物語が好きだった。 小さな棺が花壇に置 かれる「黙祷」主人公、 川村光音の靴を没収する「他人」他人であるはずの舞衣は天文時計の歯 車から毀れる光に魅せられる。 「劇」を途中で抜け出す舞衣と羽根、光音は幼馴染の羽根が自分 の舞台を見てくれていると信じていた。 舞衣は羽根と密会の約束するが、待ち合わせ場所だった 天文時計に辿りつけない。「白夜」へと静止した舞衣と共に オーディンの「ワタリガラス」が飛ぶ。 マタイの福音書 13 章、神の御言葉である種が育つための土地の条件の問いかけ、 植物の「生長」への詩情、その生長を摘み取り、物語世界は鳥のように巣を作っていく。 様々な霊性、神への夢想や祈ること、愛と死、孤独、それぞれの想いは重ならない平行現象のようだった。 それでも、光音は思い出の教会の扉を開けようとする。 黙祷・他人・劇・白夜・ワタリガラス・自己犠牲・生長・栄巣・つがい・足跡・鍵・ Icon o graph (全 12 章) 造語:栄巣・Icon o graph
「生かされていることや生きていること、信じていること、私達それぞれ違うこと、それらが一致を夢見て、離れてはお互いに締め付けながら、茨のように締め付けあいながら巣を作る」
栄巣 P278 営巣の造語
評価一覧(PDF)
English
“We were moving on the backstage of love.”
The death of a girl who has not been baptized. This girl, Maki, loved the biblical stories. A small
coffin is placed on the flower bed. ”silent prayer”. “A stranger” who confiscates shoes from the
heroine, Koune Kawamura. Mai who should be a stranger is fascinated about the light streamed
through the gears of the astronomical clock. Mai and Hane who leave halfway through “play”.
Koune believed that Hane, a friend from infancy, would continue to watch her performance.
Mai has promised a secret meeting with Hane, but she could not reach the astronomical clock
designated as the appointed place. “migratory crows” of Odin is flying with Mai standing still in
the “midnight sun”
Gospel of Matthew, Chapter 13, inquiry about the land conditions to allow Seeds, Words of God
to grow, poetical sentiment for “growth” of plants, pinching off the growth and the story world
continues to create nests just like birds.
Various spirituality, daydream about God and praying, love and death and loneliness
Individual minds sound like parallel phenomena which cannot be overlapped.
Even so, Koune has tried to open the doors of the nostalgic church.
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Amazonランキング15位(文学・フィクション部門)
Pangaea Doll

≪昔、描いた未完のお伽噺----今ならその世界が見えるよ≫ 幼い頃に父親を亡くした主人公、佐藤翔子の目の前に現れたのは一匹の竜だった。それは想像なのか、現実なのか――。 家庭が崩壊していく中、その空想譚に彼女は「ムムジク」と名付け縋るように物語を描き上げようとする。音楽はイスラメイ、淡いグレイブルーの色で重ねた世界、色んなものを混ぜ込んでいた。病気の母親と共に、それは希望へと向かっていたはずなのに、物語は完結しなかった。そんな翔子は自身をマインドレスと称し大人になっていくのだが----。 パンゲア症候群は共通の夢や幻想を見て死んでいく。ある人は単なる自殺、ある人は見えたものを映画にして死ぬ。 翔子が描いていたムムジクは本当にパンゲア症候群の症状なのだろうか? この病は、治療が不可能なことから病から認定が外される。存在しない病として、翔子は幻と症状に挟まれる。
共通の幻想が見える病とは著者が9歳の時に考えた。男女の恋愛が陳腐な想像でしか書けなかったので時期を待っていた作品。2000年代、心理学では無意識を治療として認めない流れがますます強くなっていた。論文にならない無意識や魂に関する話が瀕死になっていくことが忘れられずに書いた。いえ、私も生きていくために忘れていくだろうと思ったので書いた。きっと私も、この幻想を裏切ってしまうのかもしれない。次の作品のために、新しい出会いと共に思い返すことが減ってしまうことを知っていた。まだ見ない未来の裏切りの前に、
忘却の前に、書きたい。そう思っていた。形而上学標本の原点です。
出版社からのコメント
『日常からなる難解な物語』
愛よりも深く「きみ」を理解したい。

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フェリシモ文学雑誌(廃刊)2010年の傑作特集
類い稀なる誠実な病 (2019)
(次回作で修正版を出版)