nest

―――鳥の巣の営みを人間の例え話(詩情や比喩に)使おうとすることは早計である。鳥の営みと人間の生活とはまるで違うからだ。よく巣を観察すること……
そして、断言出来ることは
現象学者は必ず鳥の巣に
惹かれるだろう。―――
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これはあるフランスの哲学者の話(仏語版・訳は掻い摘んでいます)です。
最初にこれを読んだときは入院中のときで、心には来なかった。それなのに数年後、書きかけの自分の小説と繋がることになる。気がつけば、彼の予言通りに私は鳥の巣に惹かれることになった。

自分の信仰とは別に、色んな人の話を聞いて回った。聞いただけではなく、「経験」という小世界を形成してきた。そんな自分が目指すのは、「原稿」であり、小さな生命を育てている。まるで自分は鳥の巣を作る鳥のようだと気づいたのだ。そしてこの小世界は鳥の巣と同じように永遠では無かった。
営みと言ってもすれ違ってしまったこと、
愛であると疑いたくなかった繋がり、
そういったものもあった。
人間の営みは
鳥の営みに例えることは確かに早計なのだ。

鳥の巣の成り立ちは神学と哲学、世界の内面を繋ぐとき、人間の感情や言葉では足りないものを上手く纏めてくれていると私は胸を時めかせた。

「鳥の巣」これこそ人々が重ならないものを固めた「詩情」なのだと私は疑わなかった。
鳥の巣はあまりにも精巧に作られていて人間が似たような草木を集めただけでは作ることは恐らく出来ないでしょう。いつも図鑑や非売品のショーケースから見つめるだけだったけれども、漸く本物の鳥の巣を手に入れることが出来ました。(イギリスから来たそうです)
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今回の小説は「営み」や「愛」を結論とすることは容易ではない
テーマを選びました。だからこそ、この鳥の巣の営みと人間の例え話を並べることが出来ないということに結びついたわけです。
心臓部分となるものは冒頭にあるとおり「愛の裏」であり
造語までした「栄巣」ということです。
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*羽はカラスの羽です。(ワタリガラスではありませんが)完成してから数日後、木の葉が揺れる音と共に空から降ってきたのを取ったものです。とても嬉しくて、必ず取らなければならないような気がして、私はヒールで走って手を伸ばしました。
*暫くは少しだけ動物の匂いがしましたが、今はもうしません。
壊れやすそうなので気をつけて撮影しました。どんな風に撮影するのか実はまだ良いアイディアが無くて、とりあえずこんな風に。
あんまり出したりすると壊れそうなので、もっとアイディアが纏まったときに新しく撮影するかもしれない。(巣:セキレイ)
◎鳥の巣を買った店→http://www.piika39.com/

走った靴(プラットフォームパンプス8~9cm) 
この記事は作品を読まないと分からないように書きました。




火星の砂時計

最近になって〈すやまたけし〉の「火星の砂時計」という話を知りましたけれども、これは面白いですね。紹介では学校の教科書に載っていたとあるのですけれども、私は国語の教科書は光村出版だったせいか覚えがありません。よく転校していたのですが、国語だけは自分が行った学校は全部、光村だったので覚えています。
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火星は軍神マールスの神話に始まり、戦いや情熱の象徴でもあります。地球の外側にある惑星の中でも最も近い存在で、多くの作家を1800年以降魅了し続けている。
主人公は砂時計を見つめながら、遠くに文明を探そうとし、生きている間には見つからないだろうと思っていた。
そんな彼に「私たちは滅びたが,私たちの精神はこの赤い砂の中に生きつづけている」と火星人は情熱と信念を持ち続けることについて語る。
戦いや情熱といったものが砂時計の中に閉じ込められて、三分という時間を流れていく。
時間が過ぎ去るということは、消えていくということとは違うというのを形に見せてくれるのは砂時計です。流れた分だけ積もっているものですね。
 
この火星の砂時計は現実では存在出来ないものだけれども、レプリカでもいいので欲しいかも。
(火星の砂時計)

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