by thy intents wicked or charitable.
thou com’st in such a questionable shape that I will speak to thee:
I’ll call thee Hamlet, King,father,royal Dance. O O answer me.
Hamlet-act1 Scene4
ハムレットと言えば
“To be, or not to be: that is the question”の台詞が有名ですが、
「汝よ、人の形として表れたのなら、私の問いに答えてくれよう」のほうが私は印象に残った。
理由はバルザックのセラフィタで、例え話として人の形をした天使を見た登場人物が、
見たものを説明している姿について、「まるでハムレットのように亡霊を見たようだ」「ハムレットのように混乱している」と第三の語り手が語るシーンがあったのですが、セラフィタ・セラフィトスという存在を恐らくこの『人の形として表れたのなら』と重ねたのだろうと思った。
見たものを説明している姿について、「まるでハムレットのように亡霊を見たようだ」「ハムレットのように混乱している」と第三の語り手が語るシーンがあったのですが、セラフィタ・セラフィトスという存在を恐らくこの『人の形として表れたのなら』と重ねたのだろうと思った。
英語のshapeは亡霊とか幻影が現れたときに使ったりもする。イメージとして
空気のようなものから寄せ集めて形になったときに使うような気がする。
脚本にすることを考えなかったら大して気に止めていなかった
箇所だったのですが、こんなにも面白いとは。具体的にどう面白かったかは
語るのはまたの機会になるけれども、
シェークスピアは占星術等を扱ったヘルメス主義者(Hermeticism)だったと誰から聞いたか、その話は置いておいたとして、
軍神マルスの例えを熱弁するハムレットの姿を見て確信がついたことは
この物語の動きは太陽星座の「牡羊座」のようだ。まず、牡羊座は軍神マルスを
表す火星を守護に持つ。リーダーの素質があるが、人がついてくるかどうかは無頓着。
亡き父の亡霊を見て「問い」の思考の暴走に走った、ハムレットそのもののように見える。
それが「金星」(ヴィーナスや愛の星)や土星(時間厳守)である。ハムレットの勢いが増せば増すほど愛は育たず死んでしまうこと、ハムレットは恋人の死を知らずに、
生死の時の流れを混濁させたかのように墓から掘り起こした髑髏を見つめる。
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舞台は影こそが自然であると私は思う。 特にシェークスピア(四大悲劇)はそうじゃないだろうか。神の光やクリスチャン的な理想、二元論は人の心の中で問いとなって彷徨っているが、入れ子状態で舞台の光とはならない。舞台の光は計算された光、影だけが自然にセットから伸びる。
その代わり人間の醸し出す熱意や光が浮き出る。その光から主を見出すこともあるけれども、基本は舞台とは人間劇なのかもしれない。
そんな中で、神秘の啓示が強いバルザックの「セラフィタ」はどう面白くなるのだろう。
冷めた言い方をすれば所詮は、天使に恋焦がれる人間の話、
明確な影も野望もない物語の中で、闇や影をどう表そう。やはりこれは小説向きで
舞台は不向きだとは思う。
画像元→ https://500px.com/dorotagorecka
photo: Dorota Gorecka
使用した書籍→The RSC Shakespeare: The Complete Works
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オスカーワイルドは聖書から「サロメ」をよく見つけたと思う。
イエスの光が続く限り、サロメを永遠の闇の乙女にした。
人間劇を装いながらも、揺るがない光と、影を生み出した。
サロメを見つけたこと、誠に羨ましい。
人間劇を装いながらも、揺るがない光と、影を生み出した。
サロメを見つけたこと、誠に羨ましい。
セラフィムについて
サロメについて